第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
そんな風に悦に入っていた俺がふと気付くと………
全員の視線が自分に向けられていた。
え………???
あ……もしかして………
「いやいやいやっ!!
俺はダメですよ!」
「何が駄目なのだ?」
理解出来ないという様相で首を傾げる信長様にそう問われたって、俺は……
「俺は皆さんとは違います。
皆さんのように後世に名を遺す偉人じゃ無いし……」
これ、至極真っ当な言い分だと思ったけれど、やはり何故か全員がぽかんとしてじっと俺を見てる。
「俺達とお前の何が違うんだ?
同じ人間だろ?
あ……それとも佐助、お前を抱く自信無えのか?」
なんて政宗さんはカラカラと笑い出し、
「佐助殿も様をお好きなんでしょう?」
三成さんは単刀直入な疑問を口にした。
「猿飛佐助って、後世に名は残ってないのか?
軍神に仕えたお前程の忍なら、
俺達よりも名を馳せる気がするんだが……」
いや、天下統一した豊臣秀吉にそんな事言われても畏れ多過ぎるから!!
「大体さ……
敵の城での宴に平気な顔して参加するあんたのその度胸、
俺には絶対に無いけど。」
「家康の言う通りだな。
敵の懐に易々と飛び込める人徳と捷径……
篤と学ばせて欲しいものだ。」
当然な事だと言うように笑みを称えて語る家康さんと光秀さんの姿がじわじわと滲み出し……
そして最後に俺の背中を力強く押したのは、やっぱり信長様だった。
「佐助……
貴様の飄々としながらもその実、
人を敬い慮る性質は俺が手に入れたい物の一つである。
その上、忍としての卓越した技能、判断力をも持ち合わせた貴様を
上杉から奪い取り、俺が囲って仕舞いたい程なのだが。
そして何より、生涯を懸けてを護ろうとする心意気……
俺はとことん貴様を気に入っておる。
………それらは貴様を欲する理由には成らぬか?」