• テキストサイズ

孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】


「俺に抱かせれば
 が《徳川家康》に乗り換えてしまう…とか
 不安に為らないんですか?」

少し尖った言葉だけれど、信長様にそう問う家康さんの表情は穏やかに綻んでいる。

そしてそれに答える信長様に至っては、堪らなく愉しそうに喉を鳴らした。

「くくっ……有り得んな。
 が俺から離れる事など
 天が燃え、海が沸いたとしても有り得ん。」



…………全員が呆気に取られて、微笑む信長様を見つめる。

だけどその物言いに異を唱える人なんか居るはずも無い。

案の定、家康さんも笑顔で少し肩を竦めて

「貴方のそういう所が
 何処までも《織田信長》と共に居れば、
 新しい世界を開けるんじゃないか…って思えて仕舞うから
 仕方無いな……もう。」

さんの傍らに膝を着いた。

「俺も貴様の、その秘めたる純然な野心は
 随分と気に入っておるぞ。」

お互いに真っ直ぐ視線を絡ませ合う信長様と家康さん。


………ちょっと待って。

俺、今凄い場面に遭遇してるよね?

現代にまで伝わる逸話。

清洲同盟を結んで以来、一度も袂を分かった事のない《織田信長》と《徳川家康》

その両人がお互いをどれ程に信頼しているのか語り合ってる!!


…………………2人共、全裸だけど。



ああーーー…きっと現代の歴史学者達は地団駄を踏んで羨ましがるだろうな。

ホント、俺は果報者だ!

それから家康さんは、横たわったままのさんをそっと抱き上げた。


「……愛してる。
 あんたが信長様の寵姫だとしても構わない。
 信長様に愛されて、幸せそうに笑うあんたを
 一番近くで見ていたいんだ。
 ………良い?」
/ 834ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp