第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
「の中に宿った稚児は、俺の子であるのは当然だが
後々、この安土を………
いや、この日ノ本を担って行く可き人間であるならば
俺だけの子では無い。
俺と共に今を駆ける貴様達の子でもあるのだ。
貴様達各々が俺には持ち合わせていない才能を持っておる。
それをこの生まれて来る稚児に与えてやって欲しい。
なあ、そうであろう……?」
信長様の膝に頭を預けて横たわるさんはその問いに
「はい。」
と、頷き柔らかく微笑んだ。
これ迄も分かったつもりでいたけれど、信長様はそんな薄っ平い理解など軽々と超越する。
確かにこの状況であれば生まれて来た子は自分達の子なんだと、更に慈しみ愛おしくて堪らないよね。
安土に集う皆が、さんの産んだ子を大切に大切に育て上げるのが目に見えるようだ。
それが証拠につい今、顔面蒼白だった三成さんも歓喜に震えて目を潤ませている。
「大義であった、三成。」
「三成くん、ありがとう。」
そして三成さんは信長様とさんの言葉に、その潤んだ瞳から一筋の涙を溢し
「私は何と果報者なのでしょう。」
深々と頭を下げた。
そんな三成さんを優しく見つめていた皆の視線が、次にはその隣に居る秀吉さんへと注がれる。
その視線の意味に気付いた秀吉さんが震える声で
「…………宜しいのでしょうか?」
信長様へ問い掛けた。
「勿論だ。
貴様の人心掌握術、
他人の心の機微を読み取り発揮される懇篤は
俺には絶対的に無い物だ。
この子にとっても必ず必要になる能力であろう。」