第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
ドロドロになった身体の処理もせず、家康の腕枕で微睡む私。
少し汗の匂いを漂わせて湿った家康の肌は、高級なシーツなんかよりもずっとずっと心地好い。
家康が私の髪を指先で弄んでいるのも、その心地好さに拍車を掛ける。
「…………いい加減な気持ちじゃないから。」
突然ポツリと聞こえた声に私が家康を見上げると、家康の顔が真っ赤に染まっていた。
「……何が?」
「だから……結婚。」
「………ッ!」
今度は私の顔が赤くなる番だ。
「さっきはあんな風に言っちゃったけど
本音だからつい口を出たって言うか……
だって、ずっと思ってたんだ。
と結婚したいって。」
これってプロポーズでいいんだよね?
特別なサプライズなんて無くていいから、高価な指輪なんて要らないから……
でも……
「ここで?」
「え?」
プロポーズの返事としては妥当じゃない私の問いに不思議そうな顔をする家康。
「夕暮れの海岸でもなくて、
夜景の綺麗なレストランでもなくて、
ラブホテルのベッドの上でプロポーズ?」
「あ………」
気不味さMAXの家康をじっと見つめる。
「ごめん……。
今言わないと…って焦った。
でも、これから何回でも言うから。
が満足してくれるまで何回でも、
どんな場所でも言うから………
……俺と結婚して…くれる?」
ママに甘えるみたいな表情と口調で見つめ返して来る家康………
何て可愛いの!
こんな姿を見せてくれるなんて、自分は家康の『プレシャス』になれたんだって実感しちゃう。
これから先も、今まで知らなかった家康をもっとたくさん見せて欲しいよ。