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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】


知らなかった。

本当に知らなかったんだ……

でも確かに、この格好はそう受け取られても仕方がないよね?

だって私の両脚は、逃すまいとするように家康の腰をガッチリとホールドしちゃってるし。

「あの……そうじゃ…なくて…
 違……んッ…」

家康の人差し指1本で塞がれる唇。

「違うなんて言わせないから。
 俺が聞きたいのはそんな言葉じゃない。」

ついさっき笑った筈の家康の目に不安の色が浮かび上がってる。

怯えるみたいに揺れる瞳で、私に縋り付いて来るんだ。


「もっと俺を求めて。
 もっと…もっと……欲しいって言って。
 ねえ……は俺が必要なんだよね?」


秀吉さんから聞かされた家康の過去が蘇り、私の胸は痛い程に締め付けられた。

ああ……家康は怖いんだ。

誰かから『要らない』と言われてしまう事が。

だから『要らない』と言われる前に、自分から遠避けていたんだ。

そんな道を選ばなくちゃいけなかった家康が途轍もなく哀しいけれど、でも家康は私を見つけてくれたよね。

家康の方から私を求めてくれた。

自分が家康の宿り木になれた事が凄く誇らしくて、凄く嬉しい。

ねえ、家康。

私だって、もっともっと……

「家康が欲しいよ。
 家康だけでいい。
 家康じゃなきゃ要らないから。」

「………本当に?」

「ね……家康。
 中に……ちょうだい。」

中に出される事……

さっきはあんなに戸惑ったのに、今はもう心から欲しいって思ってる。

私の全部、心も身体も家康で満たされたいんだ。


「ありがとう、。
 大事にする。
 一生、大切にするから……」

お互いの身体を拘束するように抱き締め合い、それでも家康の腰は緩々と前後して私を再び昂らせてくれた。

ううん……私だけじゃない。

家康も熱い吐息を漏らし

「直ぐだから……
 直ぐ……イクから……」

と切なそうに顔を顰めている。

そんな表情を見せられたら私だって我慢出来ないよ。

「家康ッッ……」

急激に湧き上がった快感が背筋を駆け上がり、堪らず名前を呼んだ時……

「……イッ…クッッ……」

家康が私の中で弾け飛んだ。
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