第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「金曜の夜、クライアントとのミーティングで
この先どうしても秀吉さんに指示を仰がないと進まない事案が出て……
だからミーティングが終わった後、
秀吉さんの携帯に連絡入れたんだ。
でも秀吉さんは出なかった。
だから三成に電話した。」
三成くんっていうのは私と家康の後輩社員で、今は秀吉さんの秘書的な仕事をしてる。
確かに秀吉さんと連絡が取れない場合は、三成くんに確認するのが妥当な流れだよね。
「三成に秀吉さんは一緒じゃないのかって聞いたら
『秀吉さんなら酔ったさんを送って行かれましたよ』って……」
ああ……そういう事だったんだ。
………でも、どうしてこのホテルの事まで知ってるの?
「それを聞いて、もう気が気じゃなかった。
が秀吉さんに憧れてたのは知ってたし、
俺なんかより秀吉さんの方が
には相応しいんじゃないかって………」
家康もそんな風に思ってくれてたの?
私だけが不安なんだって思ってた。
カッコ良くて仕事も出来て、周りの人達に注目されてる家康に私なんて釣り合ってないんじゃないかって、ずっと不安だった。
家康が『社内の皆には付き合ってる事を知られたくない』って言ったのもそういう意味なんだろうって思ったけど、傷付きたくなくて……
自分で自分を誤魔化してたんだ。
「に別れを告げられるのが怖くて、
週末も連絡出来なかった。
一人で悶々と考え込んでいたけど、
どうせならもういっそスッキリさせたくて、
もしが俺よりも秀吉さんを選ぶって言うなら、
秀吉さんにを泣かせるような事はしないで欲しいって伝えたくて……
日曜に秀吉さんのマンションへ行ったんだ。」