第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「こんなベタな台詞言うのも何だけど……
ねえ、……覚悟してよね。
今夜は寝かさないから。」
その『ベタな台詞』があまりにもリアル過ぎて私が喉を小さく鳴らすと、家康の微笑みには一気に艶やかさが含まれ始める。
「ここでする?
それともベッドへ戻る?
ああ……
あの自販機にまだが悦びそうなモノあったよね?
時間はたっぷりあるんだし、
いっその事、全部使っちゃおうか?」
その後、ベッドに戻ると家康は直ぐにまた私を組み敷いた。
だけど私にはどうしても聞かなくちゃいけない事、そして言わなくちゃいけない事があるんだ。
「待って……家康!
ちゃんと話をさせて!」
私に覆い被さろうとする家康の胸を押し返す。
「……何?」
分かってるクセに、そんな何でも無い顔をするんだね。
それは優しさなの?
それとも諦め?
どっちにしても私の気持ちだけは伝えたい。
「家康は……知ってるんでしょ?
金曜の夜の事……」
無言のまま、私をじっと見下ろす家康。
「私と秀吉さんが、このホテルのこの部屋で……」
「黙って!」
「ヴッッ……」
家康の大きな掌で口を塞がれ、私の言葉は止まった。
「の口からそんな話は聞きたくない。
俺がちゃんと話すから……
は黙って聞いてて。」
そして紡がれたのは、真摯で優しくて……
哀しいけれど、堪らなく甘い………家康の独白。