第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
温めのお湯が張られたバスタブに2人で浸かる。
私を背後から抱えた家康は、甘えるように私の肩に顔を埋めていた。
「……好き。
が大好き。」
少しくぐもった声で囁く家康。
とても心地好くて幸せな時間。
だけど私にはどうしても気懸かりな事があって………
「ね、家康。
余りのんびりして居られないよ。」
「何で?」
「だって明日も仕事だし。
それに私、着替えが………」
「、知らないの?
こういうホテルは下着もストッキングも
ルームサービスで買えるよ。」
「ホント?」
「うん。
後でカタログ見てみなよ。」
そうなんだ……。
まあでも確かに……
そういうプレイをするカップルも少なくないだろうし、結構需要があるのかも。
「あ……でもホラ…
今日と同じ服で出勤する訳にはいかないし、
家康のスーツも……汚しちゃったし、
一度家へ帰らないと……」
「はあ……
ってホント、真面目。」
「んぐっ……」
そう言った家康は後ろから手を回して私の鼻を摘まむ。
「あのね……
先ず、俺とは明日はお休み。
ちゃんと有給申請は出しておいたから。」
「ええっ!?」
「それから服もクリーニングに出せばいい。
このホテルはクリーニングも対応してくれるんだ。
ランドリーシュートに放り込んでおけば
明日の夕方には部屋に届けてくれる。」
「そ…なんだ。」
ホテルの至れり尽くせりなサービスと、家康の手際の良さに感心して惚けていると
「ねえ……。
そんな呑気な顔してるけど……
ちゃんと分かってる?」
家康は悪戯っぽく微笑んだ。
「え……何を?」
「明日は休み、服も返って来ない。
だからあと18時間くらいここに居るしかないんだけど……
2人で。」
「あッ……」
言われて気付けば廻る想像に熱くなる頬。
きっと今、私の顔は真っ赤になってる。
でも逆上せてるのはお風呂じゃなくて、家康に……だ。