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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】


あ……家康からのラインだ!!

うう……嬉しいよぉ。

私はやっぱり、どうやっても家康が好きなんだなぁ。

慌ててスワイプすると、画面に現れたのはたった一行。

『いつものカフェで待ってる』

私はまだ残っている皆への挨拶もそこそこにオフィスを飛び出した。


いつものカフェっていうのは、私と家康が仕事終わりの待ち合わせに良く使っている場所。

会社から駅へ向かうのとは逆方向で、ちょっと裏道沿いにあって、同じ会社の人間は先ず来ない。

でもね、コーヒーも美味しいしカフェ飯っていうのかな……

バケットサンドとかパスタなんかも充実してて、私的には結構お気に入りのお店なんだ。


店に入るといつも座る席で家康がコーヒーを飲んでた。

「お待たせ。」

嬉しくて勝手に緩んじゃう表情で家康の前に座ると

「……何、食べる?」

いきなりメニューを突き付けて来る。

「ここでご飯食べるの?」

私はここで待ち合わせてから、夕食の買い物をして家康の部屋に行くつもりだったんだけど。

だって会社帰りに会う時は大抵そういう流れだったから。

「この後、と行きたい所があるから……
 今、ご飯食べて。」

「うん……分かった。」

行きたい所ってどこだろう?

家康はロクに私の顔も見ないし。


結局ずっと無言のままジットリとした重たい空気の中、2人でご飯を食べて……

カフェを出てタクシーに乗って、タクシーを降りてから少し歩いて………

今の私が見上げてる建物は…………

『あの』ラブホテルだ。
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