第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
月曜の朝。
一般的社会人なら大方の人が抱えるであろう週の始まりに対する憂鬱に、+αの気不味さを抱えて出勤する。
あの後……秀吉さんと一晩過ごして始発で帰宅した私は、悶々とした週末を過ごす事になった。
秀吉さんから聞かされた家康の過去……
秀吉さんとラブホテルで一夜を共にした事実……
これは神様に誓って、えーと……所謂『そういう行為』は無かったんだけど!
色々な感情が綯い交ぜになっちゃって、家康に連絡するのを躊躇ってしまった。
しかも家康からも全く連絡は入らなくて……
いつもだったら会えなくても、ラインとかメールとか電話とかするのにな。
ホント、憂鬱に輪を掛けて更に憂鬱だよ。
オフィスに着くと、珍しく私より先に家康が出勤してた。
「おはよう、家康。」
気力を振り絞って普段通りに笑顔で挨拶してみる。
「おはよ……」
それなのに家康は普段より一層無愛想だった。
金曜のギスギス感をまだ引き摺ってるの?
それって……男らしくないんじゃない?
何だか私だけがクヨクヨ考え込んじゃうのが段々理不尽な気がして来て、もう私は悩むのを止めた。
もう私から連絡なんてしてあげないんだから!
その日の家康はずっと外出で、ホワイトボードのスケジュール表にも『直帰』って書いてある。
悩むのは止めた…なんて言いつつも、やっぱりこれじゃ溜め息も出ちゃうよね。
………うん!
美味しい物でも食べて帰ろう………1人で。
そんな事を考えながら帰り支度をしていた時、私のスマホが振動した。