第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「大人になって再会した家康を見て俺は驚いたよ。
ガキの頃は俺を兄のように慕って可愛かった家康が……
笑わなくなってた。
まるで人を寄せ付けないように棘を生やしてるみたいでさ……
それでその棘で自分自身を疵付けてる。
もっと人を頼ったって、人に甘えたっていいのに、
自分は一人きりで生きて行かなくちゃいけないんだって
意固地になってる。」
秀吉さんの言っている事が本当にしっくり来る。
私が時々感じる家康は、まさにその通りだったから。
「でもな、そんな家康が最近はほんの少しだけ
和らいでる気がしてな。
よくよく見てみれば、いつもが家康の隣で笑ってた。
ああ…家康も漸く自分以外に大切な人を見付けたんだって、
俺も嬉しいんだよ。」
勝手に溢れる涙。
私なんかが家康の為に何が出来るか分からないけれど、それでも家康が望んでくれるならずっとずっと家康と一緒にいたい。
「ありがとな、。
これからも家康の事を頼む。」
家康の孤独も……
秀吉さんの優しさも……
何もかもが胸に詰まって、涙が止まらなくて………
結局私は始発の時間まで、秀吉さんといっぱいいっぱい語り合ったんだ。