第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「この話こそ誰にも言ってないんだが……
実は俺と家康は同郷でな。
幼馴染みだったんだ。」
「そうだったんですか!?」
「ああ。
やっぱり家康から聞いてないか?」
「はい……全く。」
「まあ…そうだろうな。
家康が子供の頃の話をする訳無いか。」
確かに……
家康は私の実家や過去の話を聞きたがるのに、家康自身の話は聞かされた事は無かった。
今まで特に気にしてなかったんだけど、それに何か意味があるの?
そして秀吉さんの話は続く。
「家康の生家はちょっと複雑でな。
父親は当事のそこそこ有力な政治家だったんだが、
家庭を省みない男で。
家康はその父親が外の女に産ませた子供だったんだ。
で、その母親もまだ赤ん坊の家康を
父親の家族に押し付けて失踪しちまって。
そうなりゃその家庭に家康の居場所なんてある訳無いよなぁ。
結局は親戚中をたらい回しにされて、
高校卒業と同時に独立したんだ。」
そんな……家康が子供時代にそんな酷い仕打ちを受けていたなんて。
その頃の家康の気持ちを考えると悔しくて悲しくて……
私は小さく震えてしまう。