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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】


ギシッ…とソファの軋む音がして、秀吉さんが横になったのが分かったけれど……

この状況で眠れる訳ないよ。

だって…憧れの上司と2人きり……しかもラブホテルで!

勿論やましい行為があった訳じゃないけど………

いや、この状況が充分やましいよね。

こんな状況に陥ってしまった自分の不甲斐無さを猛反省してみるけれど、これ絶対家康には言えないな……って。

家康に秘密を作るなんて許されないって思う。

それでもやっぱり家康が大好きだから、家康を嫌な気持ちにさせるような事は絶対したくないんだ。


何度も寝返りを打つ私の気配に気付いたのか

「、眠れない?」

秀吉さんが声を掛けて来た。

「あ……ハイ。
 ちょっと…色々考え事しちゃって……」

「…………家康と上手くいってないのか?」

「エエッッ……
 ど…どうして……」

「ハハハ……バレてないと思ってた?」

如何にも愉しそうな秀吉さんの声に、私の動揺は広がるばかりだ。

「出来る上司を見縊ってもらっちゃ困るな。
 部下の人間関係なんて毎日見てりゃ直ぐに分かるよ。」

ううう……さすがはスーパー上司、秀吉さん。

上手く立ち回ってるから誰にもバレてないなんてイイ気になってた自分が恥ずかしいよ。

恥ずかしさと気不味さに布団を頭まで被って身悶える私。

秀吉さんはそんな私を見て、更に愉し気に笑ってから………

「……
 子守唄代わりに俺の話を聞いてくれるか?」

その真摯な声色に、私はベッドの中で秀吉さんの方へ身体を向け「ハイ」と小さく返事をした。
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