第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「……何かあったのか?」
「え……?」
「があんなに無茶な飲み方するなんてなぁ。
ありゃ潰れて当然だ。」
うう……確かに家康とギスギスしちゃったのが気になって、段々家康に対して腹が立って来て……
それから家康は私の事なんか本当は好きじゃないのかも…なんて勝手に落ち込んで……
結果、ヤケになってハイペースで飲んじゃって……このザマだ。
ホント、自分が情けないよ。
私はガバッと上半身を起こし
「あのっ……
ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありません!
私、帰りますから……」
秀吉さんにそう言ってみたけれど
「うーん……
それはちょっと難しいかなぁ。」
柔らかい困り顔をした秀吉さんの視線を追うと、そこにあったのは大きな文字のデジタル時計で……
時間はAM2:48!!
「うっ……」
言葉に詰まる私の頭を宥めるように撫でてから、秀吉さんは私の肩をそっと押して元通りに寝かせる。
「とっくに終電も終わっちまってるし、
あんなに酔ってたんだ。
体調も心配だしな。
どうせ明日は休みなんだから、ここでゆっくり寝ていけ。」
「で…でも……」
「が俺と居たくないって言うなら
俺はここから出て行くから心配しなくていいぞ。」
「そんな事はないっ……ですけど…」
「ハハッ……嬉しい事言ってくれるんだな。」
そう言って秀吉さんはベッドから離れ、壁際に置いてある真っ赤な革張りのソファに腰を下ろした。
「じゃあ俺はここで寝かせて貰うよ。
ここからには一切手を触れないから安心してくれ。」