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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第19章 憧憬なんかじゃない【恋愛幕末カレシ】


就職活動で訪れた京都。

空いた時間で観光していた最中にミステリアスな男性『晴明』さんと出会って、アンティークの懐中時計を貰った。

この時計、針が逆に進む不思議な代物で………

気が付いたら私は、『幕末の京都』に居たんだ。


そこで何故かこの時代の最高権力者、帝の行列を遮ってしまった私は罪人として処刑されそうになってしまう。

もう自分でも何が何だか分からなくて、怯える事すら出来なかったんだけど。

でも逆にそれが功を成したのか……

帝に「肝の座った女だ、面白い。」なんて気に入られちゃって。

きっと帝は『現代人』の私が物珍しかっただけなんだと思うけど。

それでも日本の最高権力者が「その女は殺さず、俺の元に持って来い。」と言えば、私の処刑はあっさりと覆されて、御所の中……

帝の御前に差し出された。


この帝って言うのが、本当に横暴な人で!

まあ、現代で言う所の天皇陛下なんだから当たり前と言えば当たり前……

ううん、平成天皇はスッゴく良い人だったよ!

………勿論、会った事はないけど。

それでも常に国民に寄り添ってくれる本当に素晴らしい人だった。


それなのに……時代が違うって言ってしまえばそれだけかもしれないけれど、帝はとにかく我が儘で強引で偉そうで、人を人とも思わないような物言いをするし!

私は帝の退屈凌ぎの玩具じゃないんだから!

そう……退屈凌ぎであるだけならまだ良かったんだ。
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