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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第18章 ずっとずっとずっと、そのまま【薄桜鬼】


役人共から出て行けと恫喝された内儀は、時尾に「見捨てる事を許してくれ」と泣きながら謝罪を繰り返した。

だが、そんな内儀に対し

「大丈夫。
 何も心配しないで下さいね。」

そう言って微笑んだ時尾は、まるで弥勒菩薩の様だったと内儀は一層酷く号泣した。



役人共が時尾を陵辱し尽くし帰って行った後、せめてその身体を清めてやりたいと内儀は時尾を自宅へ連れて行き湯浴みをさせた。

俺に悟られない様、時尾の身体に残る情事痕を出来る限り取り除く為に。

確かにそれは盲目の時尾一人では出来ない行為だ。

時尾は、自分の身体に残る『穢らわしい痕跡』を確認する事も出来ないのだから。

そして内儀は時尾を家へ送り届ける際には必ず、「時尾ちゃんは綺麗だ」と力一杯抱き締めたのだと語った。


そんな地獄の様な刻を何度も繰り返し、遂には俺に露見したという訳だ。
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