第18章 ずっとずっとずっと、そのまま【薄桜鬼】
手に持った軍鶏をその場に放り出し俺は駆け出す。
「駄目だよっ……斎藤さんっっ…」
血反吐を吐く様な内儀の叫びを振り払い、俺はその勢いのまま引き戸を開け放った。
其処に居たのは………
囲炉裏脇の板間に転がされた時尾。
帯は解かれ、着物が左右に大きく開かれた所為で裸体を曝け出している。
その乱された時尾を三人の男が取り囲んでいた。
三人共に洋袴を摺り下げ、陰茎は剥き出しだ。
そして言葉にするのも悍ましい程、その三本の陰茎は見事に屹立していた。
「何を………している?」
俺はこの男達を知っている。
俺と共に斗南藩に仕える役人だ。
「斎藤っ……お前……」
時尾の開かれた脚の間に膝を付いた一人が、青褪めた顔で俺の名を呼んだ。
その男の両手は、時尾の腰を逃がすまいと言わんばかりにがっちりと掴み、痛々しい程に両の親指が柔らかな脇腹に食い込んでいる。
ああ……あの青痣の理由はこういう事だったのか。
…………今日が初めてでは無いのだな。
残る二人は時尾の口元に擦り付けた陰茎を隠す事も出来ないまま、怯えた様に俯き震えていた。
当の時尾はと言えば俺の方へ顔を傾け、虚ろに揺れる瞳を絶望に濡らしたまま
「見ないで……一さん……」
掠れて震えた声を絞り出す。