第18章 ずっとずっとずっと、そのまま【薄桜鬼】
「私も…です。
私も一さんが居ないと生きられません。」
俺の独り善がりな想いに、確りと寄り添ってくれる時尾が愛おしくて堪らない。
だが、流石に今夜は時尾を抱く訳にはいかない。
そうであるが、俺はどうしても時尾に触れる事を我慢出来ず、啄む様な口付けを何度も落とした。
その口付けの合間に、時尾はか細い声で問い掛けて来る。
「一さんは……幸福ですか?」
「突然、どうした?」
「知りたいんです。」
「幸福に決まっているだろう。
責のある務めが有り、日々充実している。
もう命の遣り取りも、先の不安も無い。
そして何よりも時尾……
あんたが俺の傍に居てくれるのだから。」
俺の本音に、時尾は涙を滲ませ
「嬉しい。
一さん、私……
貴方の為なら何でも出来ます。
一さんの幸福を、必ず守ってみせますから……」
独り言の様な言葉を囁き、その後直ぐに眠って仕舞った。