第17章 Coquettish game【イケメン戦国】
「俺はに子供が授かれば、
これ程嬉しい事は無いけどなー。」
その未来を想像してるのか……信玄様は愉しそうに笑っている。
「え……でも………誰の子……か…」
だってもしそんな事になってしまったら、そこが一番肝心だよね?
俺達がいた未来ならDNA鑑定によって、父親は99.9%の確率で判明させる事が可能だ。
でも、この時代では………
「父親が誰か…など、何の問題があるのだ?」
「……は?」
次は謙信様がトンデモナイ事を言い出した。
何て答えればいいのか分からなくて、俺が口をパクパクさせていると
「俺はが産んだ子であれば、
父親が誰であろうと生涯変わらず慈しみ続けてやれるが。」
「俺もだなー。
に似た愛らしい娘だったら、猫可愛がりして仕舞いそうだ。」
「うーん……俺も別に父親が誰かなんて、どうでも良い。
だって確実にこの中の誰か…だろ?
それをが産んでくれるなんて最高だよな。
なあ、佐助は何か問題あんのか?」
3人が3人共に俺の常識を覆す内容を嬉々として語る。
「だって……俺の子かもしれないんですよっ?」
俺はこの時代の人間じゃ無い。
俺は戦国武将じゃ無い。
……俺はこの人達みたいに強くは無いんだ。
だから……って俯いてしまった俺は、周りの空気が酷く呑気な感じがしてそろそろと顔を上げてみると、信玄様と幸村はキョトンとした眼差しで俺を見ていた。
そしてもう1人に目を向けると…………
何故か僅かに頬を上気させて照れたように俺から視線を外した謙信様がポツリと呟く。
「もし佐助の子だとなれば……
それはそれで………
俺は、依り一層……」
瞬間、俺は声を上げて笑っていた。
どうやら俺が持っていた常識なんてガラクタだったみたいだ。
佐助が声を出して笑うなんて…と3人共に驚いていたけれど、これは笑わずにはいられないよね。
この3人に出会えて本当に良かったと、何ならこの時代に飛ばされて来て良かったと………
俺は何て幸せ者なんだって痛感せずにはいられなかったんだ。