第17章 Coquettish game【イケメン戦国】
さんは幸村にイかされた後、そのまま意識を失った。
俺達はもう言葉通りドロドロだったさんの身体中を綺麗に拭き清めて、敷いた布団に寝かせたんだ。
結局その拭き清めるという作業の間も、誰もさんの襦袢を脱がそうとはしなかった。
俺は正直、新しい寝間着に着替えさせてあげた方がいいんじゃないかって思ったけど、どうやら俺以外の3人はさんが『野球拳の勝者』だって結果を守り抜いたらしい。
だからさんを全裸にする訳にはいかない…と。
……いや、もう全裸にするよりもスゴイ事をしちゃってるんだけどね。
でもどんな状況であっても、勝負事には揺らぎ無い矜持を持っているのって……
流石は3人共、後世に名を残す戦国武将だな。
そして今、さんがスヤスヤと眠る布団の周りに腰を下ろした俺達は、その愛らしい寝顔を見つめながら髪を梳いてみたり、頬を擽ってみたりと各々が好き勝手にさんを愛でている。
信玄様も謙信様も、幸村だってさんが愛しくて堪らないといった表情だったけど、俺だけは少し憂鬱さを抱えていた。
勿論俺だってさんが堪らなく愛おしいのは間違いないよ。
だけど…………
そんな俺に真っ先に気付いてくれたのはやはり謙信様だ。
「どうした、佐助?
何故、そのような浮かない顔をしている?」
この3人には誤魔化しは効かないよな。
だから俺は正直に思っている事を口にする。
「さんが最後に言った事が……気になっていて…」
「……が言った事?」
まるで心当たりが無い様子で謙信様が聞いて来た。
「あの……
赤ちゃんが…出来ちゃう……って。」
「ああ……」
何だ、そんな事か……と言わんばかりに3人が同時に息を吐く。
「俺も……
さんの中に出しちゃってる訳だから、
偉そうに言える立場じゃ無いんですけど
もし……さんが妊娠しちゃってたら……」
「何か困るのかい?」
「……は?」
あっけらかんと紡がれた信玄様の言葉に、俺の方が呆気に取られてしまった。