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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第1章 堕ちる【薄桜鬼】


時間が無い?

訳の分からない総司の言葉と行動に俺の苛立ちが沸点に達する。

「いい加減にしろよっ!
 ふざけてるならさっさと解け。
 でないと本気で怒るぞ!」

俺に怒鳴り付けられても全く動じず

「怒った顔も可愛いよ、平助。」

そう言いながら弧を描いた総司の唇が唐突に俺の唇に押し付けられた。

「………んっっ…」

生温かく柔らかいその感触に驚いて俺が固く唇を結ぶと、総司の舌先がその隙間を解すようにちろちろと這い回る。

「平助……口、開けて。」

無理に決まってるだろ、そんなの。

頑として口を開かない俺を見て総司はくすりと笑った。

「仕方無いなぁ。」

言うや否や総司の指が無理矢理に俺の口を抉じ開け、指先と同時に舌を差し込んで来た。

閉じられなくなった口を微かにぱくぱくさせながら、俺は総司の舌を受け入れるしか出来ない。

総司はくちゅくちゅと卑猥な音を発てて俺の舌を絡め取り、口内を激しく舐め回す。

飲み切れない自分の唾液と総司から注がれる温い唾液が混じり合い、俺の顎をだらりと零れ落ちていく。

「………んっ……ふ……」

息苦しさに耐え兼ねて俺が声にならない吐息を洩らし始めると、漸く総司の唇が離れた。

一つの行為が終わって安堵する余裕も与えられないまま、総司はいとも簡単に俺の下帯を剥ぎ取った。

「止めてくれっ……」

言った所で無駄だとは分かってる。

それでも叫ばずには居られなかった。

一糸纏わない身体に荒縄だけが食い込み、全開に開脚させられている所為で俺の秘所が総司の目前に晒されている。

目眩がする程の恥辱に、俺の身体は熱を持ち冷や汗が噴き出した。

「なあ……総司、頼むから………本当に……もう…」

震える声で懇願する俺を、総司は少し申し訳無さそうな目で見つめて言った。

「大丈夫だから怖がらないで。
 ゆっくりするから。
 平助を悦くしてあげる。」
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