第16章 七ツ下がりの雨【薄桜鬼】
「総司……居ねえのか?」
左之さんが障子戸に手を掛けた気配を感じた瞬間、僕は声を上げた。
「其処っ…置いておいて……左之…さん。
今…はっ……
僕とちゃん…手が…離せなくっ…て…
んっ…あ……」
暫くの間の後、左之さんはくつくつと喉を鳴らし始める。
当然、僕とちゃんが何をしているのかなんてお見通しだよね。
「了ー解。
此処に置いとくからな。
…………………。
程々にしておけよ、総司。」
からからと笑いながら左之さんの気配が遠ざかって行くと、ちゃんは口を覆うのを止めて今度は無言で僕をじっと睨み付けた。
ああ……そんな顔も可愛くて仕方無い。
「どうしたの?
興奮しちゃったのかな?
だってちゃんの中、ぎゅうぎゅう締め付けて来て……」
僕が言い終わらない内にちゃんの唇が僕の唇を塞ぐ。
そして無遠慮に入り込んで来た柔らかい舌が僕の咥内を犯した。
これは抗議…なのかな?
意地悪した僕へのお仕置き?
でもこんなお仕置きなら、何時でも大歓迎だけどね。
僕は大人しくちゃんからのお仕置きを受け入れながら、その小さな身体をぎゅっと抱き締めた。