第16章 七ツ下がりの雨【薄桜鬼】
「そりゃあ気にならないって言ったら嘘になるけど……
でもね、僕は嬉しいんだ。」
「………嬉しい?」
「うん。
あのね、左之さんって本当に女の子にもてるんだよ。
その左之さんが気に入ってたちゃんが
僕の事を好きって言ってくれた。
これって物凄く自慢出来るよね?」
にこにこと笑う沖田さんを見て、私はずっと考えていた疑問を問い掛けてみる。
「どうして……
私の事をそんなに想ってくれるの?」
沖田さんは一瞬目を瞬かせてから、またくしゃっと笑った。
「初めてちゃんを見た時、可愛いなぁって思った。
仔猫みたいな大きな目も、小さな鼻も、柔らかそうな唇も。
絹糸みたいに綺麗な長い髪も、
陶磁器みたいな白い肌も……。」
私は固まったまま、言葉を紡ぎ続ける沖田さんをじっと見つめる。
「ちゃんの少し低くて甘い声が好き。
小さくて柔らかくて滑々の身体も好き。
本当は弱い癖に強がっちゃう所も好き。
僕に抱かれて泣いちゃうのも、
僕の掌にぴったりの乳房も、
僕の物を受け入れてひくひく悦ぶ彼所も………
ねえ、僕は……
ちゃんの全部が好きなんだ。」