第15章 爛熟の刻【薄桜鬼】
舌を絡め合い、甘噛みし、貪る如く吸い上げる。
は不知火から注がれる唾液を嬉しそうに飲み干し、更に欲しいと強請る様に首を伸ばす。
そんなの方から繰り出される強い要求を
「一寸待ってな、。
後でイヤって程可愛がってやるからよ。」
そう言って押し留めた不知火の視線が俺に向けられた。
「不思議で堪らねェって顔だな、原田。」
「そりゃ……」
「媚薬だよ。」
「………っ!」
不知火が手に取った徳利を軽く振ると、ちゃぷん…と微かな水音が響く。
「酒に混ぜてな……
昨夜の宴会から少しずつに与え続けたんだ。
勿論を力尽くで犯す事も出来たし、
媚薬を薄めず飲ませて一気に昂ぶらせるのだって可能だったさ。
……でもよォ、それじゃ愉しくねェだろ?
にも悦んでもらわなきゃなァ。」
「じゃあ……手前ェはまだを……」
くつくつと喉を鳴らし続ける不知火に、俺がやっと言えた言葉が此れだ。
自分自身が本当に情けない野郎だと吐き気がする。
「洗練な方法を選んだって言っただろ?
まだは生娘だぜ。
時間を掛けただけあって、仕上がり具合は上々だ。
を悦がらせて、啼かせて、グチャグチャに蕩けさせるのは……」
不知火が一呼吸置いたその僅かな静寂に、俺の喉がごくりと音を発てた。
「……今からだ。」