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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


「ちょっとアナタ達、いー加減にしなさいよォ!」

サン・ジェルミさんの苛立った声に、私と『空神様』の唇が漸く離れる。

それでも愛しさを抑え難くて『空神様』をじっと見つめて仕舞う私の頬をぐいと擦ると

「待ってな、!
 直ぐに帰るから浮気すンじゃねェぞ、コノヤロウ!」

『空神様』は不敵に笑って言った。

「はい。」

満面の笑顔で頷く私。

「良しッ!上出来だ!」

そんな私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる『空神様』。


その時……

「God bless you(神の御加護がありますように)」

私達を眺めていたキッドさんから穏やかに紡がれた言葉。

突然の事に驚いたけれど、それでもじわじわと喜びが沸き上がり潤んだ目をそちらへ向けてみれば

「ホント、イイナヅケちゃんを見てっと
 そう願わずにはいられねーよなー。」

ブッチさんも愉し気にからからと笑っていた。


そして馬車は走り出し、私は車窓から身を乗り出したまま皆の姿が見えなくなるまでずっと手を振り続けた。
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