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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


犬族の待つ集落へ戻ると、皆はとても喜んでくれた。

一頻り歓迎されてから此処を護ってくれたというあの人の姿を探してみるものの何処にも見当たらない。

犬族の皆が言うには漂流者(ドリフ)狩りの一団を全て排除した後、何も言わずに此処を去ってしまったらしい。

どうして私を、皆を護ってくれたのか……その理由が知りたかった。

それ以上に唯一言「ありがとう」と伝えたかったのに……。

………また、会える時が来るだろうか?

次は私と『空神様』と、三人で会えたら良いな……

そうなる事を切実に願いながら、私は彼の無事を只管に祈り続けた。


それからは再び犬族の皆との穏やかな日々が続いて行く。

只、以前と変わったのは……

ふと不安に襲われ、胸を締め付けられる時が無くなった事だ。

『空神様』は何があっても必ず私の所へ帰って来てくれる。

今はそれを当然の様に信じて居られる。

ならば私は『空神様』が何時でも帰って来られる様に、此処を守って居れば良いだけ。


そうすれば………

澄み切った青空の彼方から聞こえて来る何よりも愛おしい轟音。

その音の方向を笑顔で見上げてみれば、其処には……

ほら………





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