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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


廃城組の姿が見えなくなるのと入れ替わりに飛龍の中から『空神様』と晴明さん、そしてブッチさんとキッドさんが現れる。

どうやら私を見送ってくれるみたいだ。

「、気を付けて帰れよ。」

珍しく心配そうに私の頬を撫でる『空神様』。

「大丈夫ですよ。
 サン・ジェルミさんが送ってくれますから。」

私がそう答えた途端……

「それが一番危ねえ気がすんのは俺だけか?」

「いや、ハニーは女なんだから大丈夫なんじゃねえの?」

「いやいや……
 実はオカマの振りしてイイナヅケちゃんを狙ってんのかもしれねえぞ?」

ブッチさんとキッドさんが態と『空神様』に聞こえる様に話し出した。

「ッ…やっぱり帰るな!
 ずっと此処に居ろッッ!!」

そう叫んだ『空神様』は私をぎゅうぎゅうと抱き締める。

「からかわれているだけですよ、直さん。」

私が苦笑しながらそう宥めても『空神様』の腕の力は中々緩まなかった。

その後、馬車と一緒に現れたサン・ジェルミさんに

「はああ……何やってんのよ、アンタ達。」

と、呆れられるまで『空神様』とブッチさんの悶着が続いた。


漸く落ち着いた所で私は馬車に乗り込んで、その車窓から身を乗り出す。

「私もまたさんの所へお邪魔させて貰いますよ。
 犬族の皆さんにもお会いしたいですしね。」

晴明さんはニッコリと笑ってくれた。

「はい、お待ちしてます。」

私はそう答えてから『空神様』の方へ顔を向けると

「直さ………んんっ……」

背伸びをした『空神様』の手が私の後頭部を抑え込み、下から力強く唇を重ねて来た。

皆の前での口付けに恥ずかしさはあるけれど、それでもこの愛おしい感触は手放したく無い。

「ん……ぅ…」

だから私も顔の角度を変えて、自分から依り深く『空神様』を求めて行った。
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