第14章 God bless you【ドリフターズ】
「そーゆーワケではあのワンちゃん達のトコに戻っても大ー丈ー夫!
もう廃棄物(エンズ)は漂流者(ドリフ)と真っ向勝負をするしか手は無くなった。
だから、戦う術を持たないハグレ漂流者(ドリフ)なんて構っているヒマは無い。
今、廃城組もコッチへ向かって来てる。
此処が最前線になるわ。」
その時……『空神様』がサン・ジェルミさんを睨み付けたまま、ぶるりと身震いをする。
でもその表情は、楽しみにしている事を待ち切れない子供みたいで………
これが武者震いって言うんだ…なんて、呑気に考えてる自分が少し可笑しかった。
「だーかーら、!
アンタは犬族の元に帰んなさいな。
それで、デストロイヤーが『帰る場所』を護るのよ。
が待ってるってだけでデストロイヤーの戦闘能力は格段に上がるンだから
アンタの存在って、実はかなり貴重なのよォ。
コレって、一緒に戦ってる……ってのと同じよね?
夫唱婦随ってヤツ?
ヤだ、アタシったら上手いこと言うじゃなァい?」
けらけらと笑いながら私に向かって片目を閉じるサン・ジェルミさん。
それが私の存在を認めて貰えた様で、私の価値を褒めて貰えた様で……
頬を嬉し涙がぽろぽろと溢れ落ちた。
「二人で一緒に居られるのもまた暫くオアズケよ。
この船室には誰も近付かないようにしといてあげるから
今の内にヤリ捲っちゃいなさいな。
『淫らに厭らしく喘ぐ』も好きなんでしょ?」
「手前ェッッ!
やっぱり最初っから覗いてやがったなァ!?」
『空神様』が怒り心頭で怒鳴りつけても、
「あらヤダ!バレちゃった。」
サン・ジェルミさんは全く悪びれる事も無く、またけらけらと笑って船室を出て行って仕舞った。