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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


「ああ、それから……
 犬族の集落も漂流者(ドリフ)狩りの連中に襲われたみたいよ。」

「えっ!?」

「ああッッ!?」

私も『空神様』も同時に声を上げ、サン・ジェルミさんに向かって弾かれる様に上半身を起こす。

そんな私達を見て「あら…やっぱり驚かせちゃったかしらァ」なんて、何故かサン・ジェルミさんはしたり顔だ。

「どうやらが犬族と一緒に居たのがバレてたみたいよ。」

サン・ジェルミさんの言葉が更に私を追い込んで行く。

やっぱり私の所為なんだ。

どうしよう……皆に何かあったら……

皆は無事なの?

どうしよう……どうしよう……

一気に沸き上がった不安に顔面蒼白で身体を震わせて、私は自分でも気付かない内に『空神様』に縋り付いていた。

「ったら、そんな死にそうな顔しなくても大丈夫よ。
 犬族は全員無事!
 全員無傷でとデストロイヤーが帰って来るのを待ってるって。」

「……本当ですか?」

「失礼ねッ!
 私がアンタ相手に嘘吐いてどーすんのよ?」

「ごめんなさい。
 でも……どうして……」

犬族の皆は私と同じで戦う術を持たない。

その所為でオルテの侵攻に追いやられて今の生活を続けているのだから。

そんな犬族が廃棄物(エンズ)に襲われて無傷だなんて……
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