第14章 God bless you【ドリフターズ】
「あら、別にからかってるワケじゃないのよ。
正直、感動してるのよね、アタシ。
あのデストロイヤーがこんなに真摯に女を抱くなんてねェ。
それにもとっても可愛かったわァ。
ちょっと妬けちゃったわよ。」
確かに、サン・ジェルミさんの言葉に棘は感じられない。
恥ずかしさは収まらないけれど、そう言われて嬉しく感じる自分も居る。
それにサン・ジェルミさんは私と『空神様』、どっちに対して妬いているんだろう……なんて可笑しな疑問も浮かび上がってしまった。
「はあァ……もーいい!」
どうやらそんなサン・ジェルミさんの様子に『空神様』も毒気を抜かれて仕舞ったみたい。
「で、漂流者(ドリフ)狩りの心配は無ェってどーゆー事だ?」
「ふふふ……
ホント、廃棄物(エンズ)って馬鹿よねェ。
学習能力ってのが無いのかしら。」
サン・ジェルミさんは愉快で堪らないといった声色で話し出す。
「アイツら、あの廃城組を狩ろうとしたらしいわ。」
「あの侍共をか!?」
『空神様』も少し呆れた声を出した。
廃城組って……織田信長公が居るって言ってた……
「そ!
それで漂流者(ドリフ)狩りの連中はさっくり殲滅されたらしいわ。
トヨちゃん風に言うと『さぱっと撫で斬りぞ!』ってヤツね。
まあ、当然と言えば当然よね。
だってアソコに居るの『織田信長』と『島津豊久』と『那須与一』よォ。
何を考えてそれを狩れると思ったのかしらァ?」
遂に耐え切れなくなったのか、サン・ジェルミさんはけらけらと笑っている。
廃城組って、そんなに凄い人達なの?
そんな事を思いながら見上げてみれば『空神様』も愉しそうにククッ…と喉を鳴らしていた。