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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


「駄目です……直さん。」

「?」

「紫電改を捨てるなんて絶対に駄目です。
 私の所為で直さんにしか出来ない事を捨てさせてしまうなんて嫌です。
 絶対に……嫌!」

どうしてだろう……あんなに怖かった筈なのに、紫電改を捨てる『空神様』なんて有り得ないと思う。

だって、そうなってしまったらこの人は『空神様』じゃなくなってしまう。

「ごめんなさい、直さん。
 そんな酷い事を言わせてしまってごめんなさい。」

私はぼろぼろと涙を溢しながら何度も謝罪した。

「、泣かなくたっていい。
 別に手前ェが謝る事じゃねえだろーが。」

「だって……私が……っ…」

「泣くなって言ってンだろ、バカヤロウ!」

『空神様』の指が私の頬を拭ってくれても、次から次へと止め処無く涙が溢れる。

赤ん坊みたいに泣きじゃくる私を見て、呆れた様に息を吐いた『空神様』は突然唇を重ねて来た。

「んんっっ……」

その深く長い口付けに呼吸を奪われ、ふと気が付けば私の涙は止まっていた。

「良しッ!泣き止んだな?
 じゃあ笑え!」

そんな事言われても……

私を心から想ってくれる『空神様』の事が愛おし過ぎて、私がまたじわじわと涙を滲ませると

「ああッ!?
 ふざけンなよ、手前ェ!コノヤロウ!」

『空神様』はその乱暴な言葉とは裏腹に、私を大切そうにぎゅうっ…と抱き締めてくれた。
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