第14章 God bless you【ドリフターズ】
目を覚ますと私は船室の寝台に寝かされていた。
「っ……大丈夫か?」
心配そうに私の顔を覗き込むのは……この人、誰だっけ?
ぼんやりとした頭で考えてみる。
「手前ェ…確りしろ、コノヤロウ!」
ああ……『空神様』だ。
私の夫で、紫電改の操縦士……
そう、紫電改の……
………………………………………………。
「ぃ…やああああああっっ!!」
この人が燃やした……空も海も。
怖い、怖いよ。
父さんと母さんはどうなったの?
もう何処にも逃げられない。
怖い…怖い……熱い……怖い…
誰か助けて!!
「嫌っ…いやあ……あああっ……」
「おいっ……何だってんだ、?」
寝台の上で叫び続ける私を宥めようと『空神様』の手が延びて来たけれど
「嫌だ……触らないでっ!」
私は四肢をばたつかせて、その手から逃れた。