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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第14章 God bless you【ドリフターズ】


次の朝、やはり『空神様』は飛び立って行った。

「直ぐに戻る」と私に口付けてから。

待っている事しか出来ない自分をもどかしく思う時もあるけれど、それでも「帰る場所が無くなるのは耐えられない」と言ってくれた『空神様』の為に、この場所を犬族の皆と守り抜きたい。

そう、犬族の皆とは今でも共同生活をしている。

『空神様』と私を本当に良く慕ってくれて、私は彼等の事を家族同然に思っていた。



その日の午後、集落から少し離れた森の中で木の実を集めていた私の耳に、突然怒号と悲鳴が届いた。

驚いて急ぎ集落へ戻ると、其処では三人の男が犬族の皆に暴力を振るい、片っ端から食糧を奪い取っている。

オルテの残党だろうか?

かなり疲弊した様子で身形は薄汚く、目が血走っていた。

「止めて下さいっ!」

私は飛び出して、身体を丸めたまま蹴られ続けている犬族を庇う様に膝を付き

「食糧ならお渡ししますから、暴力は止めて下さい。」

強い視線で男達を睨み上げる。

自分でもこんな行動が取れるなんて驚きだ。

『空神様』に出会う前の私なら、震えてしまって一歩も動けなかっただろう。

でも大切な家族を、大切な場所をこんな人達に穢されるのは絶対に許せなかった。
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