第14章 God bless you【ドリフターズ】
「え……じゃあ、消えたっていうのはその女性なんですか?」
「おう。」
その晩も『空神様』に抱かれ、お互いに汗ばんだ身体を寄せ合う。
私を腕枕したまま『空神様』は話してくれた。
「自分の死期を覚って廃城を出たらしいんだが
その後、何処をどう探しても屍が見付からねえらしい。
まるで存在していた事実すら抜け落ちちまったみてえだってよ。」
「……そうなんですか。」
会いたいと思っていた人が居なくなってしまった……
それが何故か思いの外淋しくて、私はそっと目を伏せる。
「突然、消えちまう…か。」
そんな『空神様』の呟きを聞いて、私はじっとその顔を見つめた。
「俺にも手前ェにも、そうなる可能性があるって事だよな。」
「直さん……」
身体を横向かせ向き合った『空神様』の手が私の頬をぐいぐいと撫でる。
「が消えちまったら、俺はきっとどうにかなっちまう。
帰る場所が無くなるってのは耐えられねえ。」
だから私も『空神様』の頬に手を添えて言った。
「私も…ですよ。
私も直さんが消えてしまったら生きて行けません。」
「……」
「ね……直さん、消えるなら二人一緒に消えましょうね。
直さんと一緒なら何処へ行く事になっても構いませんから。」
心からの言葉を紡いで微笑む私に、『空神様』は突然覆い被さる。
「畜生!
だから可愛過ぎるっていうんだよ、コノヤロウ!
もう一度だ、。
もう一度、ヤラせろ!!」
「あっ……」
『空神様』から繰り出される少し乱暴で的確な愛撫が、また私を一気に昂ぶらせて行った。