第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
私は一層身を寄せて豊久に口付けると、その唇を割って舌を差し入れた。
「む……」
一瞬だけ身体を強張らせた豊久も、直ぐに私の後頭部を両手で押さえ込み舌を絡ませて来る。
下から突き上げる行為は止めないまま。
ほら……また私、豊久に引き摺られてる。
上も下も、繋がっている部分から粘着質な水音が響き続けば到達点は直ぐ其処だ。
「ね……豊久…
一緒に達こう…」
私が掠れる声で強請れば
「おう。
一緒じゃ!」
それに応える様に豊久は更に激しく私を穿ち、二人同時に嬌声を上げて絶頂を迎えた。
その後も豊久は飽きる事無く私を抱いた。
所謂、深山に松葉崩しに鵯越え……
知ってか知らずか、私の身体を転がして色んな体勢で…。
しかも毎回、確りと私の中に吐き出す。
薩摩隼人は絶倫だって聞いてはいたけど、まさか此所までだとは思わなかったよ。
そして豊久は吐き出す前に必ず……
「俺(おい)の正室はもじょ(可愛い)かのう…」
と、笑顔で私の顔を撫で回した。
ありがとう……豊久。
こんなにも人から愛されたのは生まれて初めてだよ。
両親にだってこれ程大切にされた記憶なんて無い。
これだけ受け入れたんだから、豊久の子……
出来てると良いな…なんて思って仕舞う。
うん、本気でそう思うよ。
だから………
私、やっぱり……
逃げる事にするね。