第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
そりゃ私は其れなりに経験はあるけれど、それでも初めて会った男といきなり…なんてのは流石に『初めて』なのよ。
それにご覧の通り上半身は簀巻き状態で身動き取れないし……。
じりじりと膝立ちで私に躙り寄ってくる豊久の説得を試みてみる。
「ねえ、せめてこの荒縄だけでも解いてくれない?
これじゃあ私の裸も見られないのよ?」
うん、これは効果的だったみたい。
豊久の動きがぴたりと止まった。
そうよね、女の裸…見たいでしょう?
「……お前(まあ)、逃げんかが?」
「え…?」
「それ、解いたら逃げよるが?」
そりゃまあ…隙があれば逃げようかなぁとは思ってますけど。
勿論声には出していないけれど、どうやら私の思惑は見破られてるみたいだ。
「お前(まあ)は親父(おやっど)からの大事な戴き物じゃ。
逃がす様な事になれば、親父(おやっど)に顔向け出来ん。」
だーかーら、私を愛玩動物と一緒にしないでよ。
憮然として豊久を睨み付けると
「それに……」
突然豊久の手が、私の足首をぐっと掴んだ。
「裸んならんでも、脚さえ開きゃ問題無かぞ。」