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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】


「歳さん…?」

吃驚して目を瞬かせるを仰向けに組み敷き、その細い手首を布団に縫い付ける。

「冗談…なのかよ?」

「え……?」

「俺のガキが欲しいってのは、
 本当に冗談なのかって聞いてんだ。」

ぐいと顔を寄せれば、俺の長い髪がさらりとの頬に流れ落ちた。

「冗談じゃ無いって言えば、授けて下さるのですか?」

俺を真っ直ぐに見上げるの目は何時に無く強い光を湛えている。

「お前……何考えてんだ?
 俺のガキが欲しいなんて……」

「だって……」

俺が言い終わら無い内に、が口を開く。

「だって歳さんは私のものにならないじゃないですかっ!」

「…………っ。」

言葉を失う俺を尻目には堰を切った様に続けた。

「歳さんは新選組の副長で、何時どうなって仕舞うか分からない御身。
 何時、私の手の届かない所へ行って仕舞われるかと怖いのです。
 でもそれは揺らぎ無い歳さんの矜持だから…
 ずっと私の側に居て欲しいなんて、愚かな我儘は言えません。
 だから……せめて……何か歳さんの形を…
 忘形見を残して欲しいって思うのはいけない事でしょうか?」

初めは怒りすら含んでいる様な声色だったが、最後にはもう涙声だった。

じわじわとの目に涙が溜まって来るのが分かる。

俺はそっと唇を寄せその涙を吸い取ると、そのままの耳元で囁いた。


「覚悟しろよ。
 今夜、絶対にお前を孕ませてやる。」
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