第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
「はあっ?」
思いも寄らない答えに驚いて素っ頓狂な声を上げた俺に向かい、はふふ…と小さく微笑んだ。
「冗談ですよ。
さ…もう休んで下さい。
お疲れになったでしょう。」
そう言っては既に敷かれている布団を整え始める。
その小さな背中を見て、俺は思った。
正直、と所帯を持ちたいと考えた事も一度や二度じゃねえ。
『一生俺に着いて来い』と、何度喉元まで出掛かった事か…。
だが俺みたいな男がを幸福に出来るとは到底思えない。
俺とは正反対の堅気で真っ当な男と一緒になって、穏やかで安穏な人生を送って欲しい……
なんて格好良い事を言った所で、実際にと別れられなかったのは俺の方なのにな。
の艶めかしい腰付きを見ているだけで、俺の中に邪な熱が燻り出す。
酔っている所為だ……そんな雑な言い訳で自分を誤魔化すと、俺は背後からに覆い被さった。