第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
と出会って一年……いや、もう直に二年になるか。
不逞浪士とのいざこざに巻き込まれていたを、偶々俺が助けたってだけの良く有る陳腐な出会いだ。
別に俺は何か下心が在った訳じゃねえ。
女にだって苦労して無かったしな。
まあ、確かにの儚げで可憐な容貌はかなり俺好みではあったが…。
それ以来何故かは俺を慕って色々細々と世話を焼いてくれた。
今では偶に屯所にも出入りして面倒臭え雑用を熟してくれたりするもんだから、近藤さんや総司なんかは随分との事が気に入りみてえだ。
時々、原田の野郎が艶っぽい目でを見て居たりするのは気分の良いもんじゃねえけどな。
それなのには一切何かを強請る事も無く、甘えた台詞一つとして言わない女だった。
俺もには感謝こそすれ、特に此れと言って何か形に表した事は無い。
只、が俺に身を任せる様になってからは珍しく独り善がりの性交では済ませず、の悦楽を最優先に考えて事に及ぶ様に勉めた。
だが…こんなもんがに対する礼だなんて手前勝手に考えて悦に入ってたのは俺だけかもしれねえな。
にしてみりゃその身を任せる行為すらも、只の『下半身の御世話』…ってやつだったりするのか?