第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
「何だ…まだ起きてたのか?
遅くなる様だったら先に寝てろって言っただろうが…」
ふらつく足取りで部屋に入ると、が小走りで近付き俺の身体を支えた。
「随分と楽しいお酒だったんですね。
そんなに酔われるなんて珍しい。」
「ああ…?
それ程酔っちゃいねえよ、俺は!」
「ふふ…はいはい。」
強がってはみたものの、実際俺はの言う通りかなり酔っていた。
元々酒に強くねえってのに、今夜は正月祝いの宴席で飲まない訳にはいかなかったしな…。
どうせ飲まされる事は分かっていたから、俺は事前に島原の近くに宿を取っていた。
屯所に酔って帰れば総司に散々からかわれる事は目に見えてる。
それに、久し振りにとゆっくり過ごしたいって思惑もあった。
だからをこの宿に呼んで一晩しっぽり……なんて考えていたのに、俺がこの様じゃ面目ねえよ…全く。
それでもは嫌味一つ言うでも無く、いつも通り屈託の無い笑顔で俺の世話を焼いている。
「白湯…飲めますか?」
「あ、ああ。」
ぐったりと座り込む俺の手に湯飲みを持たせてくれるの手は、ひんやりとしていて火照った身体に何とも心地好かった。