第12章 密か【イケメン幕末】
からからと笑う近藤殿のお姿に、やはり私はこの御方に相応しい女では無いのだ…と思い知らされて仕舞う。
近藤殿の子種を授けて貰おうなど、図々しい事極まり無い考えであった自分が恥ずかしい。
私如きにお手を付けて頂けただけで有難いと思わねば……。
「そう……ですね。」
更に深く項垂れ、身を縮ませる私の肩にそっと手を置いた近藤殿が一つ咳払いをしてから言った。
「あー……何を考えているのかは分からんが…
先ずは近々にの御尊父と御母堂に会わせておくれ。
それから…本物の『隼多』兄上にも…だな。
お会い出来たら、お前を娶る了承を戴いて……」
私は俯かせていた顔を上げ、きょとんとしてその言葉の続きを待つ。
近藤殿は悪戯っぽくにやりと笑うと私の後頭部を優しく引き寄せ、耳元で艶やかに囁いた。
「を孕ませるのは……それからだ。」
近藤殿をお慕い始めてから二年……
そして、そこから更に二年後………
私は母になった。