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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第12章 密か【イケメン幕末】


吐き出された白濁は、近藤殿の指の間からぽたりぽたりと私の腹へ滴り落ちる。

「はあ……恥ずかしい姿を見せて仕舞ったな。
 いや…情けない。」

手の中にある大量の白濁を持て余し、困った様にはにかむ近藤殿。

私はきびきびと身を起こすと、側に在った懐紙を手に取って近藤殿を清め始めた。

「ああ……すまんな、。
 お前にこんな物の処理をさせるとは……」

「いえ、それは一向に構わないのですが……」

「うん?…どうした?」

丁寧に拭き清めながらぐっと俯いた私の顔を、近藤殿は心配そうに覗き込む。

「あの……近藤殿は何故、此所に……」

「此所…とは?」

「えっと……あの…此所…です。」

懐紙で拭いつつ、近藤殿の両手をきゅっ…と握ると

「ああ!」

どうやら私の言いたい事を察して下さったらしい。

「何だ、その事か。
 そりゃ当たり前じゃないか。
 を孕ませる訳にはいかないからなぁ。」
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