第12章 密か【イケメン幕末】
きっと私の表情にも鬼気迫るものがあったのだろう。
近藤殿はまるで暴れ馬を宥める如く、微笑みながら私の背を優しく摩りながら言った。
「お前はそんな事を考えなくても良いのだ。
その気持ちだけで俺は充分……」
「成りません。
後生ですから近藤殿……
どうか貴方の悦楽の為に、私の身体をお使い下さい。」
もう一歩も退かない私に根負けしたのか、近藤殿は少し困った様に笑うと突然私を抱き寄せ、ちゅっ…と音を鳴らして啄む様に口付ける。
「うん…分かった。
では遠慮無くそうさせて貰うとしよう。」
「はい!
是非に……」
「但し……」
この時の近藤殿の目は、これまでに見た事が無い程に妖艶に濡れていた。
「お前にも俺の身体を存分に味わって貰うぞ。
良いか……?」
近藤殿の仰っている意味は良く理解出来なかったが、私は自分を受け入れて貰えた事が只嬉しくて「はい」と大きく頷いた。