第2章 徒桜【るろうに剣心】
「……………時間切れだ。」
そのまま翠に押し掛かり、後ろ髪を掴んで唇を重ねる。
貪るように深く口付け、舌を差し込み……その間に俺の膝が翠の脚を割って行く。
柔らかく滑らかな肌、鼻腔を擽る甘い匂い、甘露な唾液。
………まるで麻薬だ。
自分自身が取り憑かれたように夢中になっている癖に、俺はそれを誤魔化す為に翠を言葉で追い詰める。
「抵抗しないのか?
嫌だと…止めてくれと……
助けてくれと赦しを乞えば良い。」
それでも翠は声一つ上げず、俺の乱暴な行為を受け入れ続けた。
本当は抵抗して欲しかったのかもしれない。
この時が、俺が自分を止められる最後の機会だったのだから。
翠の真意が分からないのが何よりも怖かった。
俺に抱かれても構わないと思っているのか……。
全てを諦めているのか……。
身体を嬲られている翠より俺の方が辛いなんて……狡いだろう。
躊躇無く腰紐を解き一気に襦袢を剥ぎ取ると、流石に翠も恥じらうように身を捩る。
まだ誰にも汚されていないだろうその美しい裸体に俺は息を飲んだ。
小ぶりで形の良い乳房を両手で揉み拉き、先端で主張する桜色の突起を口に含むと
「…………………ん……」
初めて翠が初心い反応を見せた。
「気持ち良いのか?」
厭らしい事を問い掛けながらも、俺は執拗にその突起を吸い上げる。
「……こっちはどうだ?」
乳房を手放した片手を、俺の膝を差し込まれて閉じられなくなっている翠の脚の間に滑らせると、既にそこはしっとりと湿っていた。