第10章 Messy Lover【イケメン戦国】
予想外の質問に虚を突かれたけれど、私は考えを廻らせた。
……それくらいなら答えても問題無いよね。
「うん、居たよ。」
「何人?」
「えーと………」
昔、歴史の教科書で読んだ箇所を必死で思い出して……
そして私の顔はカッと熱を持った。
「確か…………16人。」
私の答えを聞いた家康の目が驚いたように見開かれ、そして失笑する。
「凄いね……俺って。」
勿論一人の女性が産んだ訳じゃない。
正室と何人かの側室が居ての16人だから。
それをちゃんと伝えるべきなのだろうかと私が迷っていると、家康は私の身体をそっと抱き寄せて言った。
「じゃあ……は大変だね。」
「え………?」
「だって俺はこの先、生涯だけしか抱かないよ。
だから必然的に俺の子供の母親はって事でしょ。」
優しい笑みを浮かべて言う家康の姿がじわりと滲む。
嬉しくて、幸福過ぎて……自然と私の両腕が家康の背中に回った。
「ね、。
俺の子供……産んでくれる?」
「うん。
私も家康の子が欲しい。
家康の子のお母さんになりたいよ。」
「ありがとう、。
約束だからね。」
私の額に落とされた家康の口付けに酔いしれつつも………
はたと気付いた私は慌てて告げる。
「で、でもっ……16人は無理だよ!」
そんな私を見て家康は吹き出した。