第10章 Messy Lover【イケメン戦国】
「んっ……ふ……」
部屋へ入った家康は横抱きにしたままの私の唇を貪るように吸った。
息継ぎの為に僅かに唇が離れた隙を見て私は懇願する。
「家康っ……」
「何?」
「まだ……人が……っ…」
そう、中庭にはまだ売り子さん達が居るのに……。
意地悪な家康の事だからこのまま皆の前で抱かれてしまうんじゃないかと不安気な私をそっと褥に下ろして家康は微笑んだ。
「そうだね。
の可愛く乱れる姿は誰にも見せたくない。」
そう言って家康は中庭と部屋を遮る障子戸をピシャリと閉めてくれた。
でもホッとしたのも束の間、部屋の隅に置いてある行李を引き寄せた家康の笑みが妖艶に歪む。
「今夜はに新しい快感を教えてあげる。」
そして行李から取り出したのは、真紅の絹紐だった。
「家康……それって………」
それを何に使うのか容易に想像が付く。
こくりと喉を鳴らす私に家康は真剣な眼差しを向けた。
「………嫌?
嫌ならちゃんと言って。
無理にはしないから。」
勿論、家康の事は信じてる。
少し怖いけど………それ以上に『その行為』を期待している自分が確かに居た。
「嫌……じゃない。」
掠れた声で答えた私に家康は安堵したみたいだ。
しゅるしゅると絹紐を解きながら私の耳元で囁く。
「じゃあ……全部俺に委ねて。
に新しい世界を見せてあげる。」