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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第9章 朧月【イケメン戦国】


泣きたいのか笑い飛ばして仕舞いたいのか……

きっと俺の顔は複雑に歪んでいたんだろう。

信長様が気付く程に。

「覚ったか、政宗。
 は貴様の手に負える女では無い。」

愉し気にを穿つ事を止めないまま、信長様はそう言って喉を鳴らす。

俺がを拐ったと分かっても信長様が余裕だった事にもこれで合点が行った。

縺れて絡まって、自分の力ではどうにも出来なかった糸が綺麗に解けて行く様に。

晴れ渡る心の内とは裏腹に、俺の意識は混濁して行く。

その時…………

「来て。
 ………政宗。」

耳を疑う様なの囁きが聞こえた。

幻聴か……そう思った俺の目に映ったのは……

そんな俺に向かって可憐な笑みを浮かべて手を差し伸べる。

「……来て。」

そしてまた媚薬の如く俺を惑わす甘言が紡がれる。

「…………………っ。」

息を飲み、全身を強張らせる俺を今度は信長様が煽った。

「構わんぞ、政宗。
 俺はの望む事は全て叶えてやると決めている。
 が貴様を欲するのであれば
 俺からも貴様に頼むべきなのだろう。」

それが愛おしい女に自分の一物をぶち込んだまま言う台詞かよ。

本当にこの主君には驚かされる。

なのに俺の身体は正直だった。

に求められている……

それだけで俺の下半身は一気に熱り立ち、そして当然信長様はその様に気付いている様だ。

「の可愛い口が淋しがっている。
 貴様が慰めてやると良い。」

こう迄言われて逆らえる程、俺は出来た人間じゃねえ。
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