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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第9章 朧月【イケメン戦国】


は突然安土に現れた。

本能寺で命を狙われた信長様を救ったのだと、後から秀吉に聞かされた。

最初は「可笑しな女だ」只それだけの印象。

そして日々が過ぎるに連れ、信長様に翻弄される度くるくると変わる表情。

秀吉に甘やかされれば頬を染め、光秀にからかわれれば口を尖らせて拗ねる。

無関心な家康に挫けず食らい付き、三成と穏やかに微笑み合う。

「政宗」と俺の名前を呼びながら犬っころの様に着いて来る……

そんなから目が離せなくなった。


ある日、信長様の隣に居たの表情を見て俺は覚った。

ああ、信長様の手が着いたのだ…と。

あの可愛い顔も柔らかそうな身体も、全て信長様の手中に堕ちたのだ…と。

だから何だ?

最初から信長様が気に入って連れて来た女だ。

至極当然の成り行きじゃないか。

それなのに俺は……

俺の作ったずんだ餅を「美味しい」と満面の笑みで食していたを……

誰にも気付かれぬまま拐った。

拐い、凌辱し、俺と一握りの忠実な家臣しか知らない俺の御殿にある隠し座敷牢に閉じ込めた。
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