第8章 横恋慕【イケメン幕末】
「え……?」
今、姉さんって……言ったよね?
近藤さんが兄で………私が姉?
それって………
「………あっ。」
その意味に気付いた私の顔が一気に熱を持つ。
今、耳まで真っ赤になっちゃってる……きっと。
こんな顔を見られるのが恥ずかしくて俯いてしまう私の横で、沖田さんはくすくすと笑った。
「やっぱりさんは素直で可愛い人ですね。」
「か…からかわないで下さい。」
「からかってなんていませんよ。
俺は本当の事しか言いませんから。」
益々動けなくなってしまう私を見かねてか
「余りさんの邪魔をしてもいけないですね。
じゃあ俺は稽古でもしてお腹を空かせて来ます。
さんの美味しい食事、楽しみにしてますね。」
沖田さんは静かに包丁を置いて台所を出て行ってしまう。
沖田さんが居なくなっても、私の鼓動は煩い程に高鳴って中々治まってはくれなかった。
「おい、総司。」
「あれ……盗み聞きですか、土方さん。」
「お前、に余計な事を言うんじゃねえよ。」
「だってあの二人を見てるともどかしくて堪らないんですよ。
土方さんだってそうなんでしょ?」
「……………まあな。」