第1章 堕ちる【薄桜鬼】
総司からの愛撫を無心で受け止めるかの如く、俺は全身を弛緩させる。
その変化に気付いた総司が牡茎を口に含んだまま、俺の目を不審そうに見上げて来た。
その視線を受け止めて、俺は言う。
「解いてくれ……」
「…………え?」
「縄を……解け…って言ってるんだ。」
この期に及んでまだ抵抗を続けるのかと総司は思ったみたいだ。
何かを考えるように表情を歪めて俺の身体から離れた。
漸く総司の重みから解放された俺は一度身体を震わせて……笑って見せた。
「………平助?」
総司は明から様に動揺している。
「もう……逃げやしねえよ。」
『堕ちる。』
「俺にも……総司を愛させてくれ。」
『堕ちて行く。』
縄を解かれた俺の手脚には、くっきりとその名残が刻まれていた。
長時間縛り上げられていた所為で痺れちまって碌に動かせねえ。
それでも俺はまるで尺取虫のように総司に這い寄り、その立派な牡茎を口に含んだ。
「あっ……」
僅かに腰を引いた総司を押し留めるように、俺は一層深く牡茎を咥え込む。
「平助………良いの?」
今更何を言ってやがる。
俺をこうさせたのはお前だろ?
大人しく俺にしゃぶらせろよ。
ついさっきまで俺の中に入っていた物なのに、俺は一欠片の抵抗も無くそれを舐め回し吸い上げた。
それが俺の咥内で固さを増していくのが嬉しかった。
「んんっ……あ…………平助………平助…」
恍惚の表情で俺の名を呼び続ける総司が堪らなく愛おしい。